手入れ(育林)に関すること全般

2.手入れ(育林)に関すること

Q1.除伐や間伐をしないとどうなるのでしょうか。

 立木が込み合いなかなか太りません、つまりお金に成りません。(資産価値の低下)
  • 立木の生育に著しく差ができます。
    • 生育の良い木は樹高が高いので、枝を広げる事が出来るので、ますます成長します。
    • 生育の遅れた木は樹高が低いので、枝を広げられずに、成長が遅れます。
    • 間伐の理想は、ずば抜けて太い木(暴れ木)と細い木(落ち木)を切り、中間の木にそろえるのが良い。
  • 立木が傾き、曲がり木(アテの木)が多くなります。(特に桧はこの傾向が強い)
    • 上の立木の枝に押されて、下の立木が斜面の下方向に傾きます。この連鎖で山全体の立木が傾き、曲がり木が多くなります。
 単位面積当たりの材積は、ある値を超えないという法則があります。つまり間伐をしないで置くとある太さになると急に成長が止まります。一般的には、間伐をして約10年で間伐前の材積に戻るといわれています。つまり良く太ると言う事です。

Q2.桧20年生の山林ですが、どの様な手入をすればよいのでしょうか。

  • ①間伐(捨て切り)作業(10年以上間伐をしていない場合)
    • 立木本数の約20~40%を伐採します。(10本の内2~4本)
    • 間伐補助金を森林組合を通して申請します。(施工前、施工後の写真が必要です)
  • ②枝打作業(間伐木を除く)
    • 約5m~8mの高さまで打ち上げます。
    • 9月~3月の涼しい気候の間に行います。(腐りの防止)
    • 枝打補助金を森林組合を通して申請します。(施工前、施工後の写真が必要です)
      *詳しくは、お問い合わせ下さい。お見積もりいたします。

Q3.枝打は高さ何メートルまで打ち上げればよいのでしょうか。

 一般的に枝打は高くまで打ち上げるほど良いが、現在の材木の売れ筋が節のある1等材であることや、費用を考えると、5m~7mで十分ではないかと思います。

但し、80年生以上の木になると8m(4mx2本)の枝打材が取れると、立木評価が上がるので、9m(株の曲がりを1mプラス)の枝打をすることもある。

  • 枝打の注意点
    • 枝打の時期は、9月~3月の涼しい気候の間に行います。(梅雨や暑い時期に行うと、腐りが入り易くなります)
    • 一度に打ち上げる高さは、樹高全体の60~70%までとする。(打ち上げ過ぎると、立ち枯れや害虫の被害が出ます)
    • 枝打の傷(枝を打った跡の面積)はなるべく小さいほうが良い。(その後の巻き込みが早く、腐りの防止になる)鋸(ノコ)で切り取ると傷が小さい。特に枯れ枝には、鋸が良い。
    • 枝打用の鉈(ナタ)や枝打専用の鋸(ノコ)は、森林組合や専門店で買い求めましょう。(やはりプロ用の道具は、切れ味、耐久性が違います。)
    • 梯子は、アルミ製の一本梯子が耐久性や移動の操作性に優れています。プロの中には、現地の捨て切りの木で自作する方がおられます。2年ほどで腐朽し、折損する危険性がありますので、要注意です。

Q4.間伐は何パーセントぐらい伐採すればよいのでしょうか。

 林齢35年までの場合、約30%前後が一般的です。(10本中3本除伐)

造林補助金がもらえる条件は、20%以上で概ね40%までです。

  • 但し、尾根部などで地力の弱い場所は、切り過ぎに注意が必要です。切り過ぎますと、地面がさらに乾燥し生育が悪くなります。これを防ぐには、下草や低木を刈り取らずに、10%位の弱い間伐にします。

Q5.間伐(捨て切り)をするには、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。

 条件によりかなりの差がありますので、山林を見てみないと見積出来ませんが、下の値段を目安にして下さい。
  • 条件が最も良い山林で、8~10万円(1ha当たり) (下刈り不要、足場良い)
  • 条件が最も悪い山林で、25万円(1ha当たり) (下刈り必要、急傾斜で足場悪い)
    を参考にしてください。
  • 造林補助金が約7万円(1ha)貰えますので、条件の良い場所で、面積がまとまれば、ほぼ負担無しで間伐が出来ます。
  • 間伐木を山から持ち出し(搬出)すれば、約16万円(1ha)貰えます。こちらを参考にして下さい。
    詳しくはお問い合わせ下さい。

Q5.補助金の範囲内で間伐などの手入れが出来るでしょうか。

 出来る場合もありますが、一般的には、掛かった費用の約1/2が補助金として貰える、つまり1/2が自己負担だと考えてください。

間伐のうち「搬出あり」の場合は、「搬出なし」の約2倍の補助金が貰えるので、補助金の範囲内で手入れが出来る可能性があります。更に搬出した材木が搬出経費より高い場合は、その分が利益になります。
   詳しくはこちら(造林補助金)

Posted by 今西秀光